Steam/PS5/PS4/Switch「春ゆきてレトロチカ」プレイ感想

2022年5月16日月曜日

ゲームプレイ感想 春ゆきてレトロチカ攻略

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春ゆきてレトロチカをクリアしたのでプレイ感想。
一応公式でネタバレ禁止なようなので、できるだけネタバレ無しで。
PS4版でプレイ/終章までクリア

近年貴重?な実写ミステリアドベンチャー

今作は、主人公のミステリ小説家河々見はるかが「不老の果実」について研究している「四十間家」に関わる現在/50年前/100年前に起こった複数の事件を解き明かす実写ミステリアドベンチャーゲーム。

実写ADVといえば428や街など名作があるものの、昨今あまり見られないジャンルなので嬉しい人も多いだろう。
(…一応比較的最近…といってももう2年ほど前にデスカムトゥルーがあったが未プレイ。どうだったんだろう…)
今作は428などのようにテキストを読み進めていくのではなく、実写ドラマを見ていくゲームになっている。

基本的にストーリーの各章は、以下の3つのパートで構成される。
実写ドラマを見ながら手がかりを探す「問題編」。
集めた[手がかり]と[謎]をパズルのように組み合わせて[仮説]を作る「推理編」。
[仮説]で作られる選択肢で犯人を突き止める「解決編」。
問題編の選択肢によってちょっとしたセリフや動きに違いがでたり、推理編の選択肢で推理を外すかどうかの違いがあるものの、ストーリーとしての分岐はない。
推理編で選択肢を間違っても推理編の初めからやり直せるものの、章クリア毎にある評価が低くなる。
…がこの評価がゲームになにか影響があるかは不明。

また、このゲームの特徴として1人の役者が複数の役柄を演じる「マルチロール」システムが採用されている。
基本的には、同一人物でもなければ章毎に起きる事件によって配役が変わる形になっている。

林ゆうきによるBGM

音楽が林ゆうき氏なのは◎。
最近だとドラマ「真犯人フラグ」やアニメ「ダイの大冒険」の劇伴も担当している売れっ子作曲家。
個人的にガンダムビルドファイターズとかリーガルハイとか好きなので、凄い嬉しい起用。
自分好みの激しい曲ではなかったのが残念ですが、作品の雰囲気に合った曲でいいと思います。

気になった点:推理編のUIが不便

問題編は基本的に動画を見るだけでもいい作りだが、トロフィーに関連する問題編で手がかりを手動で入手するボタンの説明が一切ないなど操作説明が足りてない感はある。
問題編で取れなかった手がかりは自動的に回収されるのでトロフィー気にしなければドラマを見るのに集中していい作りになっているのはいいのだが、逆にトロフィー気にすると△ボタン連打しながら見る羽目になるのでしんどい…。

推理編は謎と手がかりを組み合わせていくパズルだが、慣れてくると文章から論理的に考えるよりも絵柄合わせのパズルになる。
この推理編はUIがかなり不便でテンポが悪い。
謎と手がかりを組み合わせるのに、Rスティックでカーソルを動かして手がかりに合わせてR2ボタン押しっぱなしで掴んで謎のマスまでカーソルを動かして離すといった手順を踏む。
…のだが、カーソルが遅い上に謎のマスが小さく入れづらい。
手がかりが多いため、謎に合った手がかりを探すだけでも時間がかかる。
また、謎と手がかりを組み合わせると仮説が出来るのだが、演出が長く飛ばせないためテンポが悪い。
なぜかその時1度見た仮説を再度見ようとするとスキップする項目があるのだが、クリア後に解禁されるチャプターセレクトで再プレイしても何故か1度見ないとスキップできないという謎使用。
というか…クリア後だったら推理編まるごとなくてもいいんじゃないか?と思わなくもない…。

解決編の選択肢で不正解の選択肢でも正解なんじゃないか?って感じるようなところがあったりする。

あと終章への導線が分かりづらい気がする。
6章でスタッフロールが流れてタイトル画面に戻らされるが、終章に気づかない人も出てくるのではないだろうか?

気になった点:画面の色

現代なら緑、100年前なら赤が強く出るように映像全体に色調補正がかかっている。
おそらく映像の色で時代の違いを演出しているのは分かるのだが、色々と違和感がある。
特に男性陣の口周りが青ひげならぬ緑ひげのようになってしまって、真相を語っている真面目なシーンでも後ろで立ってる人物の緑ひげっぷりが気になって話が頭に入ってこないなんてこともあった…。

気になった点:ストーリー/ミステリ面でフェアかアンフェアか

ちょっとしたことでもネタバレになりそうなのであまり書けないが、ミステリ周りは結構賛否がある気がする…。

人によってはこれはミステリとしてフェアじゃないのでは?と感じる部分はあると思う。
個人的にいくつかあったが、特に物語の核となる現在/50年前/100年前の事件をつなぐ最大の謎の答えはうーん…と首を傾げてしまった。
これを気にしなければ、6章までに感じる色んな違和感が終章で解決する流れにはなっているし、とある人物たちの関係性を評価する人も多いと思われる。

上で書いたとある人物たちに関しては出番が多く関係性もしっかり描かれている反面、舞台が現代/50年前/100年前と3つもある上にマルチロールもあるせいか、他のキャラクターの個性というか印象はかなり薄い。
これは別に役者さんの演技が悪いとかではなく(むしろ池内万作氏や横山めぐみ氏など名バイプレイヤーが集まってるので演技は○)、各キャラの出番が少ないためかと思う。

総評:”新本格”ミステリか否か

良くも悪くも2時間ミステリドラマのようなゲーム。
とはいえ、2時間で終わるわけではなく、ボリュームとしては15時間位だろうか。
推理編のパズルで割りと時間がかかる。

ストーリー面では、本作は”新本格”ミステリーアドベンチャーと謳っていることもあって、個々のミステリに対する価値観によって作品の評価も大きく変わるんじゃないかと個人的に思う。

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